会社の目的を考えましょう

だいぶ暖かくなってまいりました。桜の花ももうそろそろでしょうか。ちょっと油断をして花風邪気味の税理士の吉住です。

本日は、会社の目的のことです。目的とは哲学的な意味ではありません。実際その会社が業種として何をやるかということです。あるいは将来的にやる可能性のあるものを記述します。会社は目的に書かれたことしかできません。書洩らしがあれば、会社がその仕事をするために目的を追加しなければなりません。目的は登記事項ですから、変更登記をしなければならなくなります。手間も経費も掛かります。書洩らしのないことはもちろんですが、今回始める事業だけでなく、将来、行いたいと考えている事業も書き込まれたほうがよろしいかと存じます。事例としては以下の通りです。

【第２条　当会社は、次の事業を営むことを目的とする。

１　家具の製造販売

２　酒類の販売

３　不動産の売買、賃貸、管理及びその仲介

４　土木建築工事の設計、施工及び請負

５　喫茶店の経営

６　日用雑貨品の販売

７　前各号に附帯関連する一切の事業】

忘れていけないのが、上記の事例で7番目です。この一文を入れることによって、目的がファジーになって各項目の周辺の事業もできるようになります。

目的にはいろいろ書いていただいた方が事業の可能性が広がります。しかし、今回始める事業に加え、将来、同じ会社で新たな事業を始めることが損か得かは別の話です。

なぜならば、消費税があるからです。売上1000万円未満の会社が新しい事業を始めることによって、売上が1000万円を超えてしまうかもしれません。ご存じのように売上が1000万円を超えてしまうと、消費税がかかるようになります。売上5000万円未満の会社が新しい事業を始めることによって、売上が5000万円を超えてしまうかもしれません。売上が5000万円未満であれば、簡易課税ですが、売上が5000万円以上になれば、本則課税となります。おおむね簡易課税で計算するより本則課税の方が消費税額が高くなります。

上記のことは、別の事業をお始めになる前に、少し考慮していただいた方がいいでしょう。

湊屋コンサルタントサービス