資本金について

あっという間に連休が終わってしまいました。今年は彼岸花も見ませんでした。八代にいたころは、毎年、白い彼岸花が咲いていました。白い彼岸花はなかなかいいですよ。

 

本日は資本金の話です。

 

【第５条　当会社の発行可能株式総数は、８０株とする。】

 

以前は、当初の発行株式の4倍まで発行可能株式を設定することができましたが、現在は、発行可能株式の上限はありません。将来、増資したいのであれば、発行可能株式を大きく取っておくとよろしいでしょう。

 

【第24条　当会社の設立に際して出資される財産の最低額は金１００万円とする。当社の設立時の株式は、１株５０，０００円とする。】

 

100万円と言うのは当初の出資額です。1株の価格もここで決めています。ちなみに資本金の額は1円でも株式会社が作れるようになりました。以前は1000万円で保管金証明が必要だったのですが、それも必要なくなりました。

 

1つ気をつけていただきたいことは、資本金を1000万円以上にすると初年度から消費税がかかることになります。

 

資本金を振込む口座は、これまで使っていた私的な口座でOKです。振込の時期は定款が認証されてからにしてください。また、会社を設立したら、会社の銀行口座を作り、資本金を早期に会社の口座に振替えられたほうがいいでしょう。

 

資本金は誰がいくら出資するかも決めなければなりません。

 

余談をしておきましょう。時々勘違いをされる方がおられます。『うちの会社は資本金が1千万円だそうだ。金庫の中には1000万円の金があるに違いない』と言う勘違いです。資本金が1000万円だからといって、1000万円の現金があるかどうかはわかりません。むしろずっと少ない会社の方が多いでしょう。

 

同じようなことが国会でも言われていました。日本の企業の留保利益を合計すると数千兆円になる。そんな利益をため込むのであれば、従業員に給料を支払うべきだ。

 

これらはいずれも貸借対照表(以下、バランスシートB/Sといいます)のことを述べています。B/Sはその名の通りその表の左側(正しくは借方と言います)と右側(同様に貸方と言います)がバランスしています。左側の合計と右側の合計は同額なんですね。

 

B／Sはある一定時点の会社の財産の有高を表している表であると言われることもありますが、これは正しくありません。

 

正しくは、B／Sの右側は、会社ができてからある一定時点までに、どうやって資金を作ってきたか、一言でいうと『資金の調達』が書いてあります。左側には、調達してきた金が、同じ一定時点でどのようになっているか、一言でいうと『資金の運用』が書いてあります。

 

だから会社にお金があるかどうかは、B／Sの左側を見ないとわからないわけです。資本金や留保利益は現金預金になっているかもしれないし、社屋や機械になっているかもしれません．もし、留保利益をため込んでいるから給料を払うべきだというのであれば、社屋や機械を売り払って、金を作り、給料を払わなければならないことになりかねません。そうすると、とたんに会社の経営が立ち行かなくなるわけです。

 

このことをご存じなくて、利益をため込んでいるのだから給料を払えと言われるのは、無責任であると思います。また、知っていてそういっておられるのであれば、悪意を感じます。