取引先の資金繰りはどうでしょう？

この年になって人間関係の大切さをひしひしと感じる税理士の吉住です。専門外の仕事は、その道の専門家にやっていただいた方が、自分の仕事もずっとスムーズになりますね。

売掛金回収の話の続きです。

(1)取引先の状況を見抜く

前述のように、取引先が経営不振に陥る前に手を打つことが重要となるわけですが、そのためには、取引先がそのような状況に陥るかどうかを見抜かねばなりません。即ち、取引先が経営不振に陥る前の兆候「要注意信号」を敏感にキャッチすることが求められます。

それらの「要注意信号」と致しましては下記のようなものがあげられます。

• ・主な売込先(融資先)が倒産した
• ・突然、手形書換・支払猶予を申し出てきた
• ・急に支払条件の変更を申し出てきた
• ・不動産に強力な担保を設定した
• ・新築、策増築後、急に支払いが悪化した
• ・注文量が急に増えてきた
• ・悪い噂やデマがでてきた
• ・経営者が不在がち
• ・従業員の退職が相次いでいる
• ・何となく社内の活気がない

ただし、これらの要注意信号の中には、正当な理由がある場合もあります。例えば、「経営者が不在がち」「注文量が急に増えた」などは、取引先の業績が向上してきたためとも考えられ、資金繰りのためやダンピングなどで金融手段に利用しようと考えている、といったことは勘ぐり過ぎかも知れません。

しかし、そうした事実の把握こそが重要なのであり、結果として『勘ぐりすぎ』だとわかるまで観察するという姿勢が大切です。

また、これらの要注意信号を集める手段としては、

• ①取引先をよく巡回する
• ②企業興信所を通じて、信用調査をする

などがあります。

(続く)