取引先の支払いが遅れ始めたときの対応策

セミが鳴き始めました。セミの声を聴くと、もうすぐ夏がやってくる気がしたり、夏休みまでやってきそうな気がしたりします。『静けさや　岩に染入る　蝉の声』の蝉はニーニー蝉だということです。まさに今の時期に鳴き始める蝉です。染入るはずがないのに染入るという表現がいいですね。

ところで売掛金回収の話です。

売掛金の支払が長期的に遅れている場合や取引先についての危ないという情報をつかんだ時には素早く対応策をとることが必要です。その場合、「資金繰りの悪化」「回収難状態」「販売不振状態」「販売事故」等が原因になっている事が多いようですので、次のような対応をします。

• 　　・取引先の担当者にその理由をよく聞き、よく話し合う
• 　　・取引銀行や興信所を通じて調査を行い、原因や情報の確認を行う
• 　　・特に、与信限度の修正や債務の確認などを急ぐ

もし、売掛金の支払い遅延が上記のような原因によるものだと判明した場合には、速やかに以下のような対策を講じる必要があります。

①　請求の実施

②　債務の確認

③　消滅時効の中断

④　支払い猶予

⑤　手形の書き換え

⑥　売掛金を約束手形に切り換える

⑦　売掛金の借金化

⑧　売掛金の相殺

⑨　売掛金の公正証書化

⑩　担保の設定

(続く)